INTRODUCTION

スクリーンの登場人物と自分の心情を重ねると新たな自分に出会える――

EXILE HIROが率いるLDH JAPAN。俳優の別所哲也が代表を務める米国アカデミー賞公認の国際短編映画祭ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(SSFF & ASIA)。そしてEXILE、三代目 J Soul Brothers、E-girlsなどに歌詞を提供してきた作詞家、小竹正人氏。
この三つ巴の奇跡的な出会いによって生まれた音楽と映像の一大コラボこそ、日本のエンタメ業界に地殻変動を起こす可能性を秘めた「CINEMA FIGHTERS」プロジェクトだ。同プロジェクトでは才能あふれる若き映画監督が、日本のエンタテインメントシーンを牽引してきたアーティスト集団EXILE TRIBEの楽曲からインスパイアされたものを、ショートフィルムとして実写映像化する。
記念すべき第1弾は、小竹が生み出してきた名曲の数々に、カンヌ国際映画祭常連の河瀨直美監督をはじめ、SSFF & ASIAが注目する5人の映画監督がFIGHTERSとして挑む。それぞれの作品にEXILE TRIBEの面々が主演するほか、山田孝之、桜庭ななみ、水崎綾女、倍賞美津子、鹿賀丈史ら実力派俳優陣も参加。国際映画祭出品も視野に入れ、新たな映画の地平を切り開く総合エンタテインメント・アートが今、幕を開ける。
EXILE結成15周年という節目となった2017年、EXILE TRIBE×ショートフィルム×映画監督という異種格闘技戦はスタートする。音楽の聴き方・映画の見方をも変える、21世紀最大のインパクトでエンタテインメント界をネクストステージに導いてくれるのが、この「CINEMA FIGHTERS」といえるだろう。

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パラレルワールド

監督・脚本:河瀨直美
キャスト:山田孝之 / 石井杏奈
作品原案曲:「Unfair World」
by 三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE

●河瀨直美監督コメント

「その歌詞の中に込められた想いに寄り添うと、自ずと映像が浮かんだ。切ない想いは母校の天文観測室へ寄せられ、在学中は立ち入ったことのない空間に足を踏み入れると不思議なことにあの頃が走馬灯のように蘇って来た。果たせなかった夢、止める事のできない刻、それらを映画が繋ぎ止め、やり直すチャンスを与えるものだとしたら…。この世界にくりかえしまみえる太陽と月の光は人間の営みを見守るようにある。時空を行き来することのできるパラレルワールドへ、ようこそ」

監督・脚本:河瀨直美

ストーリー

木漏れ日が降り注ぐ駐輪場、渡り廊下、水道。15年ぶりに母校を訪れた徹(山田孝之)は、懐かしさに誘われて天体観察室に向かう。あの頃のまま時間が止まったような部屋で1冊のノートを見つける。「見ていてくれてありがとう」。そこには想いを寄せていたダンス部の真矢(石井杏奈)からのメッセージが綴られていた。伝えることができずに行き場をなくした感情があふれ出し、徹の瞳を濡らす。過ぎ去った刻はもう戻らないのか…。1999年の七夕、すべてはそこから始まった。夕日を見るために屋上へ行こうとしていた真矢が、天体観察室にいる徹に偶然声をかけた。それ以来、放課後の天体観察室は2人だけで過ごす秘密の場所になり、忘れられないファーストキスも経験した。屋上で羽を得たように踊る真矢の姿を天体観察室から眩しそうに見つめる徹。しかしそんな2人の気持ちは、徹の母親によって引き裂かれてしまう。

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イントロダクション

モチーフになった楽曲は、三代目 J Soul Brothersが第57回日本レコード大賞を受賞した19枚目のシングル「Unfair World」。映画『殯の森』(2007)、『あん』(2016)、『光』(2017)などでカンヌ国際映画祭の常連となり、2016年のカンヌ国際映画祭短編部門では審査委員長を務めた河瀨直美監督が、光のプリズムや逆光を多用することで、楽曲に宿るセンチメンタルなムードを映像として巧みに表した。真矢を務めるのは、E-girlsのパフォーマーで女優として映画『ガールズ・ステップ』(2015)『たたら侍』(2017)『心が叫びたがってるんだ。』(2017)などの出演作がある石井杏奈。儚くも淡い一途な恋に小さな胸を痛める女子高生を等身大に再現する一方で、パフォーマーとして鍛え上げられたダンスも披露する。その相手役を務めるのは、『山田孝之3D』(2017)、映画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』(2017)などで個性を発揮する山田孝之。現代パートのほか、ストーリーの多くを占める回想パートでは30代にして男子高校生役を違和感なく演じ切った。

キモチラボの解法

監督・脚本:A.T.
キャスト:AKIRA / 小林喜日 / 駒井蓮 / 水崎綾女
作品原案曲:「白雪姫」 by Flower

●A.T.監督コメント

「楽曲『白雪姫』で描かれているヒロインは、見慣れている美しくきらびやかな世界ではありません。凍てつく寒さの中で大輪を咲かせようと、耐え忍び時を待つという新しい見え方。『つぼみ』→『開花』を感情の起爆に置き換え、現代人が不得意とする Face to faceのコミュニケーションの根幹を描きたいと考えました。人と人とが最も幸福に感じる瞬間、行為とは…答えは作品にあります」

監督・脚本:A.T.

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ストーリー

人対人のコミュニケーションが希薄になってしまった近未来の東京。そんな都会の真ん中で営業している“心の整体”「キモチラボ」。ここは人間の奥底に眠っている感情を呼び起こし解放する、一風変わったメンタル・クリニックだ。様々な感情エキスを操る天才メンタリストのマイスター(AKIRA)とその助手の少年シュン(小林喜日)が、日夜感情に飢えた人々の心を解きほぐしている。患者として訪れたゴージャスな女性・アオイ(水崎綾女)にマイスターがうつつを抜かすある日、無表情な少女・リン(駒井蓮)がふらりとクリニックを訪れる。マイスターは未成年であることから治療を断るものの、リンに一目ぼれしてしまったシュンは、彼女の笑顔を引き出そうと感情エキスの調合を自ら引き受けるのだが…。

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イントロダクション

モチーフになった楽曲は、6人組ダンス&ヴォーカルユニットFlowerが2013年のクリスマスに発表した「白雪姫」。名作童話「白雪姫」にインスパイアされたラブバラードを、個性的な映像感覚に定評のあるクリエイターA.T.監督が、現代人のコミュニケーション不全の物語として描き出した。グラマラスな女性に目がない一方で、優しい眼差しで人間たちの隠された悩みや思いを見つめる天才メンタリストのマイスターをユーモラスに演じたのはAKIRA(EXILE)。マイスターの助手シュンを、テレビドラマ「わたしを離さないで」(2016)、映画『追憶』(2017)で注目の子役・小林喜日がコミカルな丁々発止を交えて務めた。そのシュンが一目ぼれする複雑な状況に置かれている少女リンを抑えた演技で表したのは、新人女優の駒井蓮。また第70回カンヌ国際映画祭に出品された河瀨直美監督の映画『光』(2017)でヒロインを務めた水崎綾女が、物語のカギを握るアオイ役で出演している。

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Snowman

監督・脚本:萩原健太郎
キャスト:倍賞美津子 / 鈴木伸之 / 藤井美菜 / 村井國夫
作品原案曲:「Mr.Snowman」 by E-girls

●萩原健太郎監督コメント

「曲の歌詞は素敵だと思うのだけど、まるで自分とは程遠い別の世界の話のように思えていました。僕の中でリアリティが伴わないんです。本当の世界はもっと苦しく、痛みで満ち溢れているのに。それなら歌詞のその裏を描く事でSnowmanはより輝きを増すのではないか。苦しみがあるから人は輝き、物語は始まる。痛みがあるから想いは降り積もり、Snowmanは出来上がるのだから」

監督・脚本:萩原健太郎

ストーリー

舞台は今からさほど遠くない未来。永遠の愛を誓い合った20代の夫婦・ロク(鈴木伸之)と深雪(藤井美菜)。しかしロクは不治の病に侵されており、生き残るためには特効薬が完成するまで永い眠りにつかなければならなかった。深雪は冷凍保存されたロクを慈しむように、彼が眠る巨大カプセルを来る日も来る日も磨き、ロクが目覚めるそのときを心待ちにしていた。月日は流れ、ついに目覚めのときがやって来た。しかしロクの目の前にいたのは、見たこともない老女(倍賞美津子)だった。混乱するロクに老女はこう告げる。「50年です。でも病気は治せるようになりました」。その老女こそ、永遠の愛を誓い合った深雪だった。受け入れられない事実を前に苛立ちをぶつけるロクだったが、ふと深雪の手が目に入る。その両手はロクが眠るカプセルを毎日のように磨き続けていたために荒れ果てていた。計り知れないほどの深い愛情を知ったロクは、深雪にある提案をする。

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モチーフになった楽曲は、EXILEのDNAを受継ぐガールズ・エンタテインメント・プロジェクトE-girlsによる2014年発表の12枚目シングル「Mr.Snowman」。このポップソングを、人気コミックの実写映画化『東京喰種トーキョーグール』(2017)で長編映画監督デビューを果たした萩原健太郎監督が、痛みを伴った愛のドラマとして新解釈し、映像に投影した。不治の病に侵され50年後に目覚める主人公・ロクを劇団EXILEメンバーで『東京喰種トーキョーグール』にも出演する鈴木伸之が体現。黒澤明監督や今村昌平監督作品などで存在感を示してきた名女優の倍賞美津子が50年後の深雪を演じ、SF的世界観に人間ドラマとしての説得力をもたらした。20代の深雪を、アジアを中心に活躍する期待の女優・藤井美菜が短い出演シーンながらも好演。50年後のロク役には第32回菊田一夫演劇賞、第47回文化庁芸術祭賞、第19回読売演劇大賞優秀男優賞受賞など、日本を代表する名優・村井國夫を贅沢に起用した。

色のない洋服店

監督・脚本:齋藤俊道
キャスト:Dream Ami / 鹿賀丈史
作品原案曲:「ドレスを脱いだシンデレラ」 by Dream Ami

●齋藤俊道監督コメント

「楽曲の歌詞を起点として、そこからいかに発想を膨らませ、魅力的な物語に仕上げるか、というのがこの企画の難しいところでもあり、面白いところでもありました。結果的に、自分にとって新しいコンセプトやスタイルに到達することができたと思います。この映画が、一人でも多くの人に前向きな力を与えられるよう願っています」

監督・脚本:齋藤俊道

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ストーリー

多くの命が失われた大震災の悲しみによって、人々が色を受け付けなくなった世界。街は色彩を失い、行き交う人々のファッションや食べ物までもが黒一色に統一されている。古い商店街にある洋服店で自ら仕立てた洋服を売っている中目由衣(Dream Ami)は、生まれながらの金髪で、それが原因で幼いころからイジメにあっていた。今では黒いフードですっぽりと顔まで隠すように生活している。もちろん仕立てる洋服も黒一色。しかし2階にある由衣の仕事部屋だけは違う。色鮮やかな洋服、カラフルなデッサン画、緑に燃えた生命力を感じさせる植物。誰にも見せないその“秘密の部屋”でだけ、由衣はありのままの自分になることができた。そんな由衣の前に謎の画家・近江仁助(鹿賀丈史)が現れる。色鮮やかなパレットを開き、スケッチブックに描いたのは金髪の由衣の顔とその赤い襟元。驚く由衣に仁助はこういう。「目に見るものが真実とは限らない」と。

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モチーフになった楽曲は、2015年に発表されたDream Amiのソロデビューシングル「ドレスを脱いだシンデレラ」。大学院の卒業制作作品『小春日和』が国内外で15の賞を受賞し、世界14カ国36の映画祭に入選するなど注目を集める若手映像作家・齋藤俊道監督が、“色を失った世界”で本当の自分を見つける少女の成長物語を誕生させた。自らの楽曲で主人公に扮したDream Amiが、自分を信じて一歩前進するヒロインのひたむきな姿を体現。ファッションアイコンとしての普段とは一転、トレードマークの金髪も隠された黒ずくめの姿は新鮮で、色を失った世界と仕事部屋で見せる表情の絶妙な演じ分けも見どころだ。そんな由衣の背中を押す謎の画家・近江仁助を、舞台・ドラマ・映画と幅広い活躍ぶりで知られるベテラン俳優・鹿賀丈史が、魅力的な人物として立体的に演じている。親子ほど歳の離れたDream Amiと鹿賀の芝居のやり取りは、悲しみに彩られた殺風景で無機質な世界に温かな彩を添える。

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終着の場所

監督・脚本:常盤司郎
キャスト:町田啓太 / 玄理(ヒョンリ) / 柳英里紗 / 古舘寛治
作品原案曲:「花火」
by 三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE

●常盤司郎監督コメント

「花火を見上げる自分を想像するとき、打ち上がっている花火よりその隣にいる 誰かを想像してしまう事がある。この楽曲を聴いたときにも、そんな感覚が湧きあがり、同時に男女の恋愛に真正面から向き合ってみたくなった。こうして生まれた物語は登場人物たちを自分自身さえ想像していなかった“終着の場所”へ向かわせることになった。そういえば、花火を見終えた後の何ともいえない寂しさは、映画づくりとどこか似ているな…とクランクアップの日に、ふと思った」

監督・脚本:常盤司郎

ストーリー

出会いは突然だった。東京のグランドホテルでボーイとして働く北川俊介(町田啓太)は、降り出した雨にずぶ濡れになりながら涙にくれる小河加奈子(玄理)に恋をした。それから半年。遠距離恋愛ながらも2人は静かに愛を育んでいた。「来年も2人で一緒に花火を見よう」と誓いながら。ある冬の日、ホテルでの仕事を終えた俊介は、その足で地方に住む加奈子に会いに行くために早朝の下り電車に乗り込む。右手に握られた携帯電話には、上り電車に乗ろうとしている加奈子とのメッセージのやり取りがある。加奈子には内緒だが、俊介は心に決めている。今日プロポーズをすることを。そのための婚約指輪も用意した。はやる気持ちを押さえながら「早く会いたいな」とメッセージを送る俊介だったが、加奈子からの返答が急に止まってしまう。胸騒ぎを覚える俊介のもとに、知らない男からの不穏な電話がかかってくる。

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モチーフになった楽曲は、三代目 J Soul Brothersが初めて紅白歌合戦に出場したラブバラード「花火」。様々な分野で表現活動を続ける常盤司郎監督が、メールのメッセージをテロップ表示する手法で、愛しい相手に向けた手紙のような詞の世界に寄り添った。加奈子の知られざる過去に揺れ動く純朴な青年・北川俊介を演じたのは、NHKの連続テレビ小説「花子とアン」(2014)が好評だった劇団EXILEの町田啓太。SNSを介した会話劇ゆえにセリフのほとんどない難しい役どころだったが、表情や間を使い分けて主人公の葛藤に満ちていく心を表出した。誰にも明かす事の出来ない秘密を持つ恋人・加奈子を演じたのは、アメリカやヨーロッパ、韓国などでボーダレスな活動を見せる女優の玄理。劇団青年団所属の個性派俳優・古舘寛治が、ほぼ声のみの出演ながらも強い印象を残す。

SWAN SONG

監督・脚本:落合賢
キャスト:岩田剛典 / 桜庭ななみ
作品原案曲:「Heavenly White」 by EXILE

●落合賢監督コメント

「『会えないかもしれない理想のヒト』を追い求め続けるべきか、それとも『欠点も多いが側にいてくれる現実のヒト』と一緒に歩んで行くべきか?そんな疑問を問いかける映画にしたい、というインスピレーションを『Heavenly White』の歌詞から受け、メロディーから、氷河期に襲われた東京が脳裏に浮かび上がった。世界の終わり、あなたなら誰と過ごしますか?」

監督・脚本:落合賢

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ストーリー

隕石の衝突から1週間。地球の表面温度はマイナス20度までに冷え込んでおり、世界は雪が降り積もる白銀の世界と化していた。ストリートミュージシャンのアサヒ(岩田剛典)は、世界がまだ正常だったころに自分を応援してくれていた一人の女性の面影を追うように、雪に埋もれた東京の街を彷徨っていた。人類滅亡までの間に、名前も素性も知らない彼女のために、人生最後の曲(SWAN SONG)を聴かせたいと思っていた。そんな時、避難所の地下鉄構内でその女性のことを知るウミ(桜庭ななみ)という天真爛漫な少女に出会う。そこでアサヒは探し求めていた女性の名前がチサであることを知る。ウミとチサは高校時代の同級生で、バトミントンではダブルスのコンビを組むほどの親友だったという。そんなウミに連れられて、アサヒは無人の雪原をチサの自宅へと向けて歩き出す。ウミの企みも知らずに…。

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モチーフになった楽曲はEXILEによるミディアムナンバー「Heavenly White」。歌詞に託されている“切ない男の恋心”を雪原となった終末世界で描き出したのは、映画『サイゴンボディガード』がベトナムで大ヒットを記録したばかりの落合賢監督。最新のCG技術を駆使して雪に覆われた東京をクリエイトし、ショートストーリーとは思えぬ壮大な広がりを作品に与えた。実際の雪原でも極寒の中で長回し撮影を敢行するなど、限界に挑戦。落合監督の過酷なまでのこだわりに応えたのは、岩田剛典(三代目 J Soul Brothers)と女優の桜庭ななみ。主人公でストリートミュージシャンのアサヒを演じた岩田は、劇中で人生最後の曲として見事なまでのギター演奏を披露。絶望的な状況下の中で、切なくも美しいメロディーを響かせる。桜庭は天真爛漫柄ながらも、心の奥底に秘密と後悔を抱え込んだヒロイン・ウミを好演。ジョン・ウー監督による香港・中国合作映画『追捕 MANHUNT』出演も話題の桜庭が、心に傷を持つウミを持ち前の演技力で惹きつける。