早朝、霞のかかった牧場。
髙橋巌は、牛舎でいつもどおり牛の世話を始める。
そこへ遅れてやってくる亮。
「無理して来なくていい」と声をかける巌だが、
亮は返事もせず黙々と作業を手伝う。
作業後、二人のいるコンテナまで、
別棟の牛の大きな鳴き声が響く。
お産が近いのだ。
気になり足を運ぶと、
そこには雌牛を見つめている楓の姿が。
亮は声をかけようとするが諦める。
その後、自分のとったある行動が原因で
巌と衝突してしまった亮。
感情のはけ口を見つけられず、
閑散とした街をひとり彷徨う。
再び牧場に戻り、ハンマーを手にして向かった先は、
昼間に楓が見つめていた雌牛の前だった…。